初心者の登山靴の選び方
Keen Grand Canyon | Flickr - Photo Sharing!
登山靴を買いに行く
よく友人から登山靴を初めて買いたいから一緒についてきてきてくれと頼まれます。
人にアドバイスすることが嫌いでないので快く引き受けるのですが、
以前から気になっていたことがあります。
それは人は初めて登山靴を買おうと思うと、予算を決めてから登山ショップに買いに行こうとするのです。
本来予算を決めて買物をすることは節約につながり正しいことです。
但し登山靴については限られた予算から選ぶことで失敗した人たちをたくさん見てきました。
では登山靴での失敗とはどのようなものでしょう?
登山靴の失敗例とは?
登山靴を買って失敗するとは何でしょう?
・下山時につま先が靴の先にあたって痛くなる
・かかとが擦れて靴擦れをおこす
など失敗例のほとんどが足が痛くなることではないでしょうか。
せっかくお金を払って登山靴を買ったのに足が痛くなる失敗はしたくないものです。
ではなぜ自分に合わない登山靴を選んでしまうのか?
その選び方は正しい?
今回Aさんの登山靴を一緒に選びに行ったとします。
Aさん:今回はじめて登山するから初心者向きの登山靴でいいよ。
私:了解。いろいろ履いて決めようね。
Aさん:初めてだし予算は10,000円ぐらいに抑えたいな。
私:10000円かぁ。あるにはあるけどなかなか厳しいよ。
Aさん:でも初めてだし高いのは無理だよ。その予算でよろしく探してよ
私:うーん。だとしたらこの3足かなぁ。まずはためし履きしてみてよ。
Aさん:(ためし履きをした結果)この靴がいいね。
私:他の靴(25,000円〜40,000円)も履いてみて違いを確認してみなよ。
Aさん:この10,000円の靴でいいよ。
靴の中でどこにも当たらないし値段もお手頃だしね。
私:そっかぁ。まぁ自分で決めたならいいけど。。。
実際に山の中で履いてみると?
後日友人と山に出かけました。
もちろん友人は前回一緒に購入した登山靴を履いてきています。
すでに靴を慣らすために近所の散歩にも履いたとのことでした。
しかしながら2時間ぐらい歩いていた時友人が足の痛みを訴えだしました。
どうやらくるぶしが登山靴とすれて痛いとのこと。
これ以上登ることもきつそうでしたのでそのまま下山することになりました。
結局お得だと思って買った10,000円の登山靴はAさんにはあっていなかったのです。
Aさんはそれ以降10,000円の登山靴は履かず、新しい登山靴を買いました。
求めていることはなにか?
今までほとんどの友人は予算を10000円前後に設定してきました。
ご存知だとは思いますが、10,000円では選べる登山靴の種類に限界があります。
登山ショップに行っても軽登山靴であれば4種類前後でしょう。
しかしながら人間の足の形は人それぞれ千差万別です。
4種類では自分の足の形にあう登山靴が見つかるほうが珍しいです。
なのに10,000円の予算と決めてしまうとこの4種類の中で決めなくてはいけません。
例え自分の足にフィットしていなくても少し余裕のある靴を選んだり、
サイズのある靴を選んだりしてしまいがちです。
本来Aさんの目的は楽しく登山をすることだったはずです。
しかしながら予算を優先して選んでしまったため本来の目的から外れてしまい失敗する確率は高くなります。
ではAさんはどうやって選べばよかったのでしょうか?
登山靴は予算で決めるな!
自分の足にあった登山靴を探すにはどうすればいいのでしょうか?
それは色んなメーカーの登山靴を値段に関係なくどんどんためし履きすることです。
買う気がなくても高い靴も履いてみるのです。
たくさんためし履きすることで自分にフィットする靴が必ず見つかります。
また各メーカーの特徴(幅広、細長等)もつかめてきます。
ソールの硬さ、足首、かかとのホールド感、甲のしめつけ、指の空間など
15種類以上の靴を履けば間違いなく特徴がわかってきます。
けっして値段の高い靴が自分にフィットするとは限らないこともわかります。
そうしてためし履きをした中から3種類を選びます。
その3種類の中から値段とフィット感を天秤にかけて選ぶのです。
もしかしたら3種類の候補は高い登山靴しか残っていないかもしれません。
でもそれでいいのです。
高い靴は丈夫で長持ちします。
また滑りづらく、足首も固定されているため怪我もしづらいです。
なにより歩いていて痛くなることがありません。
15足もためし履きするのが面倒ですって?
山の中で足が痛くなったほうがつらいのわかりますよね?
最初にしっかり選んだ登山靴は愛着もわきます。
そうして3種類の中から選んだ1足はあなたの財布は軽くしてしまうかもしれませんが、
心強いパートナーとして常に楽しい山行をサポートしてくれます。
さぁ新しい登山靴ででかけましょう!